APSALUS3-120

新しいマシンがケース開放状態なのを改善すべく、簡易水冷に手を出してみることにした。ソフマップドットコムで4980円だったのでこれに。店頭では6980円だったのでわざわざ店頭で見てきてから通販で注文するという。
これまでのおさらいで、ポイントはSST-ML03BにA10-5800Kを入れるとCPUの熱を逃がし切れずに熱暴走するというのが問題点。リテールクーラー、SHURIKENともにダメ、SHURIKENはそもそも冷却能力不足でファン交換をしないと冷やしきれない上にどちらにしてもケースを閉めると排熱が追い付かずにCPUのコア温度がHWmonitor読みで110度超えて落ちる。
SST-ML03BにはCPUクーラーは最大で80mm程度の高さの物まで搭載可能。これはケース内の補強用のバーを撤去する前提で、そうでない場合は70mmくらいまでしか載せられない。この時点で100W級のCPUを入れるにはちょっと問題があるようにも思う。リテールクーラーが小さいので、クーラーの能力的には十分なエアフローがあれば冷やすのは無理じゃないのかもしれないが。しかしこのケースのエアフローがまた困ったもので、サイドに80mmファンを4基搭載可能だが空気の流れが考慮されていないので上手く熱を逃がせない。裏面配線もできないのでケーブル溜まりができて空気の流れを悪くするし。トップフローのCPUクーラーしか使えないので、天板のメッシュパネル部分から自然吸気しつつCPUクーラーで冷やして、周辺の熱をサイドから排気させるのが想定された使い方っぽい。しかしCPUを冷やした時点で周辺の空気は温まってしまい、メモリやHDD周りには温風が吹きつけることになって周辺冷却的な意味ではよろしくない気がする。実際ケースを閉じるとCPUを中心に周辺のマザーボードやメモリなどもかなり熱を持つようになり、ケース自体も熱いというレベルで熱がこもってしまう。爆音の80mmファン4連にすればもしかしたら少しは改善するのかもしれないが、ケース開放状態でもゲームプレイ中はコア温度が80度前後、最大90度を超えるあたりまでは到達するので、やはりCPUクーラー自体も薄型のものでは限界があるように思える。
さて、本題の簡易水冷を利用してどうなるか。ここで問題になるのは、SST-ML03BにはそもそもAPSALUS3-120を固定する場所がないという点。120mmのケースファンを固定する場所がないので当然のことだ。一応取り付け可能な位置としては電源取付け部の底面は電源吸気用のメッシュパネルになっており、120mm(140mm?)のファンが固定可能になっている。でも電源を外に出すかACアダプタにする必要があり、ひとまずは保留。できるだけケース内に収めることから考えたい。次に天板のメッシュパネルのパンチ穴を利用してラジエータを固定することを考えた。これは可能だが、ファンと合わせた厚さがラジエータ27mm、ファン25mm、水冷ヘッド27mmと内部でファンと水冷ヘッドが接触する前提でもぎりぎりの寸法。実際にはファンとヘッド固定用のネジがぶつかるので収まらない。ここで先日買った15.8mm厚の120mmファンに交換して取り付けてみたところ、本当にギリギリのところでケースが閉まった! ラジエータには吹付方向にファンを取り付けろと書いてあったのでそこはちゃんと守って、ラジエータを天板の穴を利用してぶら下げる感じに。穴のピッチが合うわけではないので、対角線上の2か所で固定、サイドファンやメモリなどに干渉しない位置にするとラジエータの2割くらいがメッシュパネルでない部分に被ってしまう。さらにはチューブがすごいギリギリで収まってるんだけど抜けたり水漏れしたりしないよな。ケースのサイドファンは全て吸気方向でめいっぱいCPU周辺に空気を供給し続けて、それをラジエータに吹き付ける形でケース外に吐き出させてどうにかなりそうに思えた。
ということでケースを閉めて電源オン。おや、ポンプが動いてる音はすれど天板のパネルから空気が出てくる感じではない。おかしいなと思ったらラジエータに取り付けたファンの電源を取るの忘れてた。慌てて電源落としてふた開けて取り付けなおしてもう一回起動。今度はちゃんと空気も出てきているので測定開始。最初は冷却水が冷たい状態なので落ち着いた温度からゆるゆると上昇を始めていたが、ゲーム起動すると上昇が止まらない。あっという間に90度を超えて、100度あたりをふらふらと。ケースの天板が触っていられないくらい熱い。ケースファンを全力にするもどうにもならず。慌ててPCを落とすことになった。
120mmファンを標準の25mmから15.8mmのものにしたことで風量が落ちたこと、ファンがCPUやメモリと接近しすぎていてファンの吸気に影響していること、またラジエータの2割ほどを塞いでしまっていることからさらに冷却効率が落ちてしまったことなどが考えられる。空気の流れ自体は熱を下から上にと逃がすことになるので悪くないとは思うのだけど。さて、解決方法はラジエータを外に出してケース内の窒息度を下げてかつ熱源を離すか、ファンを強化してガンガンラジエータを冷やしつつケース内の熱を外に逃がすかのどちらか。より簡単な方から攻めてみることにして、ラジエータをファンでサンドイッチすることにした。ケース内には収まらないので天板を挟む形で。回転数とかファンの風量とか合わないけどいいのかなぁと思いつつ、吸出しじゃなくて吹付方向にしろって書いてあるのだから吸出しのみじゃダメなんだろうし、適当に転がってた120mmファンを増設した。電源取るためにケース開けたらCPU周辺の熱がすさまじかった。水冷ヘッドやメモリ、マザーボードまで50から60度くらいはあるよ。電源取ってケース閉じて起動。今度こそとHWmonitor見ると80度からスタート。これは単にラジエータ内の冷却水がまだ熱を持っていたからみたいで、30秒ほどで60度ほどに落ち着いた。ゲームを起動してしばらく見ていてもずっと70度台で安定しているようだ。80度に達することもなくなった。これは成功した気がする。見た目は天板のメッシュパネルのところに120mmファンが出っ張っている形だが、この程度は許容範囲だ。ラジエータや電源を丸ごとケース外に追い出すのに比べればまともと言えるので。
ということで苦労した結果どうにかケースを閉めた状態で熱問題を解決したと言えるだろう。ケースファンと外に出っ張ったファンはコントローラに接続しているので可能な範囲で回転数を落とすつもり。ファンガード的なモノを付けるくらいはしておきたい。サンドイッチしている二つのファンの風量が違うのが問題にならないかは後で考えたい。あと水冷ユニットのホースバンドくらい買うかな。テンションかかってるので外れたら目も当てられない。
[id:dekorin:20130524#p1]に続く。