さくらさくらFESTIVAL ★★☆

あっさり終了。プレイするとどうしてあんなにも延期したのかが全く分からない。さくらさくら本編をプレイしていれば納得はできるレベルに仕上がっている。さくらと菜々子どちらも選べない状態で終わった続編エピソードで、運動部と文化部の対立から長年開催されていなかった文化祭を開催しようというもの。間を空けすぎてキャラが分からず少し困った、特に美術部メンバーが。
第1部は徹が文化祭の準備を進めつつ、どっちを選ぶかって選択をたまにするだけ。一応序盤から片方を選び続けることで見られるイベントもあるものの、考えられてるんだかただ面倒なだけなんだか分からない。徹とヒロインの関係はあっさりしていて、取り合いみたいなエピソードも多くない。どちらかと言えば周りがどっちを選ぶのかとプッシュしてくる方が強い。サブキャラの個性も本編の魅力ではあったけど、反面こちらはヒロインの魅力については薄い気がするなぁ。
第2部の布施商会編はミニゲーム風の画面で人材派遣して文化祭の準備を進めるって話なんだけど、実際はゲーム性はなく選択肢総当たりのADV。まさかこれをミニゲームにするつもりで開発進めていて、結局完成せずに諦めてADVになったんじゃ…? 想像するに恐ろしい。短いしそんなに面白くもなく、キャラの魅力も出せていたとは思えない。徹編の裏でこんなことが進んでましたよって話なんだろうけど、中途半端なシステムと相まってボリュームが全く見合わず途中で投げたようにしか思えない。
布施商会が終わるとどちらかを選んだあとの文化祭を楽しむエピソードが解放される。こちらは準備ではいちゃつけなかった分をひたすらイチャイチャする内容。しかし短い。文化祭編終わった後のエンディングはコンサートを見に行くという設定で茶太のセリフ入りのさくらさくらメドレーが流れ、ムービーもシンプルだけど動きのパターンがあって可愛いし、なかなかのものだった。
絵は可愛いけどイベント絵の枚数はそれほど多くないし、立ち絵はサブキャラ追加されているものの使いまわしが多いからなぁ。可愛いには可愛いけどなにか物足りない。
音楽は使いまわし。see-sawバージョン2はちょっと違う、そしてメドレーもこれじゃない感。メドレーの方のアレンジは悪くないと思うけどね、通常EDで流れるときにクリックしていないのに途中でムービーが終わって曲もフェードアウトするのはおかしい。尺間違えてるのか? 声はサブキャラ含めて結構好き。まきと青山、誰にゃん、誰ぼんの声は特徴ありすぎてきつい。さくらさくら本編は北都南バージョンの体験版で完成されていた。
システムは設定項目は十分だけど音声キャンセルの判定が少しおかしいと思う。次の声が流れなくてもキャンセルされることがある。あとセーブ周りは直前に利用したデータのページを記憶してくれるのは良いのだけど、クイックセーブを使うとクイックセーブ用の枠がある最終ページに変更されてしまうのは不便。単純なミスだと思った。そして選択肢が無駄にやたらと多いのはどうにかしてほしい。二人を選ぶところでシーソーが傾くけど、多分バグでいつもさくら側に傾くアクションしか見られないのでバグってるのだと思う。現在の好感度表示できないなら意味なくね? 選択肢といえば布施商会編なんて完全に総当たりだし。全部選ぶ必要があるならうまい具合につなげてストーリーにしてくれればいいのに。文化祭運営シミュレーションみたいな感じのミニゲームを作ろうとして失敗したのかなぁ。システム面は普通にプレイする上で不都合を感じるものではないけど、失敗の後が見え隠れしているようで悲しい。
これが本編発売して半年くらいで出ていて、布施商会編に謎のゲームシステムっぽさがなければ、本編やった延長で楽しめたのではないかと思う。延期しまくった上でこの出来だと残念でしかない。つまらなかったわけではないが、印象が薄れたところでプレイしても面白さは半減してしまう。FDって普通は次回作までの繋ぎだったり資金調達的な面があると思うのだけど、むしろこれだけ延期して大丈夫なのかと心配になってしまう。そういや発表されてたはずの次回作はどこに行った?