富士山登山

富士宮ルートでの登山計画を立て、始発のシャトルバスで五合目に向かい、13時過ぎの登頂、17時ごろ下山という予定だった。2時ごろに起きて向かうつもりだったが、起きたら3時近くだったので少し遅れ。天気はだいぶ改善していて少なくとも都内から神奈川あたりは台風の影響はないようだった。しかし足柄SAの手前で少し雨がぱらついたので、買い物ついでにSAによってレインウェアを着た。ナビの御殿場ICの構造が分かりにくくて降りそこなうという始末、次のICで下りて下道で御殿場から水ヶ塚公園に向かう道に入り、6時半過ぎに無事に到着。手早くバイク装備から山装備に着替えて7時のシャトルバスに間に合った。
水ヶ塚駐車場に車は少なく、富士宮五合目行きのシャトルバスも満席となっておらず、天候の悪さを感じさせた。五合目も人は少なく、ツアーや多人数のグループはいなかった。本来はここで1時間程度体を慣らすつもりだったのだが、広いスペースもないようだし外も天気は悪いのでずっと立っているのも嫌なので40分程度は慣らしながら入念に準備をすることにした。雨はほとんど降っていなかったが、途中で降ることを考えてレインウェア上下にゲイターや防水グローブも重ね、薄手のバラクラバをネックゲイターのように巻いてニット帽を被って冬のような恰好で登り始めることにした。レインウェアの内側はせっかく買ったAlphaの防寒着、歩き始めで暑くても多分熱は抜けるし、蒸れはNeoshellの性能を信じるとして、汗冷えは起こさないというその性能を信用しよう。周りを見るとレインウェアは着ているものの服装はかなりバラつきあるなぁと感じた。なんか登山者の状況調査の協力を依頼していて、GPSを持って登ってくれと言われたので快諾した。これ迷ったら助けてもらえるのかな? 天候が悪かったからか協力金の集金はしていなかった模様。
6合目はすぐで、新7合目まではそこから1時間、体を慣らすためにゆっくりと登ることにした。雨はそれほどでもないが、雲の中か濃い霧が吹き付けてくる感じで、服やザックカバーが立っているだけでびっしょりになる。風の方向は定まらず、足元も岩がゴツゴツして歩きにくいなぁと思ったが、その先からするとまだ序の口だった。
新7合目あたりでかなり風が強くなり、時折立ち止まらないとふらつくような状況だった。まだ10時過ぎだし天候は少しずつ好転するような予報だったので、午前中に引き返すこともないだろうと、とりあえず元祖7合目まで行ってみて状況を見て撤退するか判断することにした。子連れで登っている人たちも前にいたし。
元祖7合目に到着。天候にあまり変化はなく、風は一層強くなったように感じられた。雨がほとんど降っていないのが救いだが、吹き付ける霧が岩について結露したものが水滴となって飛んできているのだろうか、霧でも濡れるし水滴は顔に当たるととにかく痛い。サングラスとバラクラバで顔を露出しないようにしていた。口を開けると砂交じりのものが口に入ってきてジャリジャリする。このあたりで今日は進むのを諦めて一泊するという人や8合目まで行ったけど無理そうだから撤退したという人がいた。
悩みつつも8合目まで向かうことにして様子見することに。風は強く上り坂も背中を押されて足取り軽く進めるくらい。逆に前から吹き詰めるときには進めない。それとこの辺りからはっきりと酸素の薄さが実感できて、数歩歩くごとに足が重く息が切れる。足にまで酸素が届いていないのか、疲労が全く抜けない感じ。風も強いので立ち止まっては進みという感じでどうにか8合目に到着。この辺りで諦めるという人も、今日は8合目に泊まって明日に期待するという人もいた。緑のビブスみたいなの付けた職員の方も本当は9合目に行くはずだったが強風のため8合目に待機しているといっていた。こんなに悪天候なのはこの10年で2回くらいしかなかったとか。8合目から見える鳥居のあたりまで登ると遮るものがなくてさらに風が強くなるので危ないと言っており、とりあえずそこまで行ってみるかと登ってみたところ、やはり風が強い。でも時折9合目が見えるくらいに雲が晴れることもあり、下を見れば雲が綺麗に広がっていたり、雲が晴れて森が見えたりと少しずつ状況が良くなっているようにも感じられた。もう少し待ってみて、行けそうなら上を目指すことにした。
9合目が見えている時間が多くなったように感じられたので進んでみることにした。山頂まで行って降りてきた人の話を聞いても午前中に進んだ時よりは下りの方が雨は止んでマシになったと言っている人が多く、ぼちぼち進んでいる人も見られたので。とはいえ10人とかそんなレベルの話だけど。風は確かに強いけど、さらに酷くなっているということもないのでそのまま進むことにした。ここまでくるとどちらかといえば酸素の薄さによる息切れと疲労の残留がきつい。数歩進んでは息切れするので立ち止まるし、足の疲労が血液の循環で抜ける感じが全くない。酸素が足りなくて糖分やら脂肪やらを燃焼できていないのだろうか、走って足ががくがくになっている中、さらに歩かされているみたいな感じ。歩みは遅いが確実に進み、どうにか9合目到着。もうここで立ち止まっても仕方ないのでさらに進んで山頂を目指すことにした。状況には全く変化はないし。
そんなわけで9合5勺を過ぎてそのままのペースで山頂に。山頂到着したときには誰もいなかった。ほぼ同時に到着したグループはこのまま山頂に泊まるとのこと。話したのは慣れた感じの欧米人だったけど日本在住の方っぽい。外国から来た友人を誘って登ってたのかな。降りるの無茶じゃない?って言われたけど下の天気と日没時刻を考えるとまだ余裕はあるはずなのでさっさと降りることにした。山頂は遮るものがなく剣ヶ峰まで行くのは危険な気がしたので。
下りは8合目まではさくさくと下りられたのだが、その先は明日のご来光目当てのツアー客が大挙して登ってきていて、すれ違いの待ちで大いに立ち止まらされた。もう少し広いところですれ違えないものか。1グループ30人もいると長く伸びちゃってすれ違うのに数分かかるのだもの。日没を気にしながらペースを上げたので後半はきつかった。1200mくらいを3時間ちょっとで一気に下るなんて普通の山ではやらないし、そもそもその前に6時間登ってからだもの。7合目でさすがに休憩入れて、あとはへろへろになりながら下った。5合目に到着したときにはもう一歩も動けないって思った。
5合目はこれから上るぞって人たちであふれていて、今朝の閑散とした状況が嘘みたい。これから登る人ってどんなペースで行くんだろうか、山頂でご来光待ちするのは早いと思うが。GPSの返却してアンケートに答えながらスタッフの人とそんな話をしてた。アンケートは特異日に当たったようなものであまり参考にならないな。
疲れてたけどシャトルバスに乗って駐車場まで戻った。ぐっすり寝てたからかちょっと回復してやる気は溢れていたが、まさかあんなことになろうとは…。