有栖川有栖 江神二郎の洞察

アリスの学生の頃の話を集めた短編集。長編も一通り読んでいるはずなんだけど、登場人物以外はどうにも思い出せないな。
本作は学生のアリスが江神たちと出会うところ、ちょっとした事件を解決するものなどをまとめていて読みやすい。印象的だったのは江神とアリスが語り合う除夜の鐘の話。事件が起きるわけでもなく二人が会話をするだけだが、二人の距離感や関係が繊細に描かれている。江神は作家のアリスに出てくる火村に比べるとキャラの印象が薄いので、このエピソードを読むにあたっては準備不足を感じた。長編を読み直せばこの会話も違う見方を出来るのかも。トリックも忘れてるだろうし読み直そうかな。