島田雅彦 ニッチを探して ★★

どういう話なのか分からず読み始めた。最初はニッチについての解説が入ったのでそういうエッセイ的なものかと思ってたんだけど、全然違って銀行の不正経理と思わせた愉快なホームレス生活ものだった。高級グルメから始まり安グルメに続き、野外生活へと至る。途中で幽霊出すぎだろ。なんかホームレス生活を堪能したところでどうなるかと思ったら、終盤に悪役が登場してめでたく終わった。なんだこれは。路上生活だったりヒモになったり、面白いところはあったが、それ以上に唐突な展開に衝撃を受けた。書きたいことをまとめきれていないように思えた。もしくは路上生活を書きたかったので無理やり逃亡するためのエピソードを加えたか。不正経理と逃亡に関する部分を除いて、もっとホームレスの学術研究的な体の面白エピソード集みたいにまとまっていれば面白かっただろうに。